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栗原 研一; 板垣 正文*; 宮田 良明; 中村 一男*; 浦野 創
プラズマ・核融合学会誌, 91(1), p.10 - 47, 2015/01
磁場閉じ込め方式におけるプラズマ位置形状の実時間制御及び平衡状態の診断は、MHD不安定性等によるプラズマの急激な変化に素早く対応し、適切な位置及び形状を維持した安全な運転やダイバータ部におけるストライクポイントの適切な制御、さらには電子サイクロトロン加熱等の共鳴位置を正確に定めるために非常に重要な課題である。コーシー条件面(CCS)を用いた境界積分方程式の解析解に基礎を置く解法(=「コーシー条件面法」。以降、CCS法と略す。)は、コイル電流、磁気センサー信号から直接位置形状を高速かつ高精度で導出する画期的な制御手法として注目を集めている。特に近年ではトカマクだけでなく、ヘリカル、逆転磁場ピンチ、球状トカマクでの応用例が示され、磁場閉じ込め核融合分野において幅広く応用されている。そこでまず、プラズマ位置形状同定の重要性とそのための逆問題としてのCCS法について、理論的背景、従来の方法との違い、利点について具体例を示しながら概説する。次に、各閉じ込め方式におけるプラズマ位置形状同定の応用例を紹介し、最後に、CCS法に関連するプラズマ位置形状同定における今後の課題を述べる。